退職前、事務所の荷物を片付けていて、20年くらい前に撮った写真を見つけました。整理できないでいた写真が段ボール箱中からたくさん出てきたのです。20年も前ですから、皆さんとても若い。それより何より一番驚いたのは、自分で言うのも変なのですが、なかなかいい写真が多かったということです。実は、特に『ロータリーの友』の編集長になってから取材で写真を撮る機会がグーンと増え、ロータリーの国際大会の折などにはプロの写真家たちと一緒に仕事をして、ずいぶん上手になったつもりでいたのです。たしかにある意味うまくなっています（「自画自賛」と笑わないでくださいね）。しかし、まだまだ下手だと思っていた20年前の写真が、結構良かったのです。
当時はフィルムの一眼レフカメラを使っていました。オートフォーカスではなく、また、一枚撮る度にフィルムを手で巻かなければいけませんでした。フィルムですから、現像に出してプリントしなければいけません。これにはそれなりの費用がかかりますから、極力余分なシャッターを切らないようにしていました。また、取材がすべて終わって事務所に戻ってから現像に出しますから、その場で撮った写真を見ることができません。
一枚、一枚、慎重にシャッターを切りました。この緊張感が、あまり取材に慣れていない私にもいい写真を撮らせてくれたのだと思います。デジタルカメラを使うようになって、以前の何倍もシャッターを切るようになりました。その場で撮った写真を確認することができます。だから、写真に緊張感がないのです。反省しなければ……。
nf528主宰 二神 典子