先日、銀座の書店に寄って、本を数冊抱えてレジに行き、お金を払おうとしたら財布がありません。いつも大きなカバンを持っている私は、時折、財布がカバンの中で迷子になってしまうことがあります。しかし、その時は本当に財布がなかったのです。
??? 財布を持たないで出てきてしまったのか? いや、さっき支払いをしたぞ! 1時間以上も前のことでしたが、近くのホテルの宴会場の前でした。とりあえずホテルに戻って尋ねましたが、届いていませんでした。書店では本を探すのに夢中になっていたので、気がつかないうちに取られてしまったのか? かばんは大きいし、フタは閉めていたので取られるはずはない!
いろいろと考えましたが、いずれもノー。もう探す術がありませんでした。諦めて、財布の中に入れていた数枚のクレジットカードの会社に電話をしてカードを止めてもらいました。書店の入っているビルにも届けを出して、最後に近くの警察署に行き財布の紛失届を出し、取りあえず思いつく限りの手続きを済ませました。
それから30分ほどして、ホテルから財布が見つかったとの電話をいただきました。さすがに日本! 何もなくならず、無事に財布が戻ってきました。
これで一件落着、すべてよし! ……となるはずでしたが、問題は単純ではありません。止めてしまったカードは戻らないのです。番号を変えて再発行ということになります。財布に入れて持ち歩いているクレジットカードは普段よく使うカードばかり、再発行されたカードが届くまでの間、本当に不便な思いをしました。そして、最近いかに現金を使っていなかったのか、あらためてよくわかりました。
さてさて、私がどうして手際よくカードを止め、警察に届けに行ったのか。随分以前ですが、海外でクレジットカードの入った財布を無くした経験があったからです。その時クレジットカード会社に電話をしたら、親切に手順を教えてくださり、警察に届けを出すようにと言われました。他人にカードが使われた時の証明になるからです。
不便な思いはしましたが、財布は見つかったし、まあいいか! 「ボーッとしていないで、自分の持ち物には気配りをしなさい」という教えと思うことにいたしましょう。皆さまもお気をつけください。
nf528主宰 二神 典子