レオパレス21の賃貸物件に施工不良があったと報道されました。以前にも同じような施工不良のニュースを記憶していますが、ここに入居している人たちは予定にない急な引っ越しを余儀なくされ、さぞや大変なことと思います。私も、何度か引っ越しを経験していますが、荷物の少ない若いときでも、引っ越しは体力と気力のいる仕事です。とりあえずはレオパレスが引っ越し代金などの保障をするようですが、引っ越し先がその人にとって本当に住み心地のいい物件かというと、あまり期待できず、近い将来、また引っ越しをしなくてはいけない人も多く出てくると思います。その費用は、誰も支払ってくれません。
しかし、それでもこれらの施工不良物件のオーナーの方たちよりはずっとマシかもしれません。不良個所を修理したとしても住んでくれる人が見つかるかどうかの保障はありません。空室率が上がれば、レオパレス21の経営が立ち行かなくなり、これまで保証されていた収入がどうなるかわかりません。
近年は、金利が非常に低い状態で推移しており、ローンの金利が安いのはありがたいのですが、その一方で、定期預金にしてもほとんど金利がつきません。アパートやマンションを建てるのにお金を借りるのは、金利も低いしハードルも低い、家賃収入が保障されれば銀行にお金を預けるよりはるかに儲かる、ということで、不動産に投資している人は多いようです。
しかし、入居者を確保したり、物件を管理したりするのは大変だしよくわからないということで、すべてを専門業者に任せ家賃保証をしてもらえるという仕組みは魅力的だと思います。おいしい話です。
保証されるはずの家賃収入が下がってローンが支払えなくなったとか、依頼していた会社が倒産したといったニュースを、時折、見ますから、やはりすべて任せて儲かるというおいしい話には気をつけなくてはいけません。
もちろん、すべての業者が悪いというのではなく、健全な業者、健全なシステムはたくさんあります。しかし、すべてお任せではなく、自分でいろいろと勉強して、最低限のチェックができるようにしなければいけないと思います。
医療の分野では「セカンドオピニオン」という言葉を耳にします。一人の医師、一つの病院だけではなく、別の病院でも受診して、複数の意見を参考に治療方法を決めるというやり方です。自分の体のことと言っても、病気や治療のことはよくわかりませんから、複数の意見を聞いてから判断するのは大事なことだと思います。同様に、不動産についても、どの業者がいいのか、どのようなリスクがあるのか、自分の土地がアパート経営に適しているのかなど、複数の業者や専門家の意見を聞いて判断することが重要だと思います。
うまい話には気をつけなくてはいけません。楽をして儲けることはできません。手抜きをしないで、じっくり調べ、しっかりと判断をするようにしたいものです。もっとも私自身は不動産投資をするほどの資産はもっていませんから、その心配もありませんが…。
nf528主宰 二神 典子