突然、「これからは取材に行ってもらう」と、代わったばかりの編集長に言われたのは、もう30年も前のことです。フィルムカメラの時代、初めて使う一眼レフカメラはマニュアルフォーカス。一枚写真を撮るたびに、フィルムを巻く作業もしなければいけませんでした。
「ファインダーを覗いて。ここをゆっくり回すと、ボーッとしていたものがピタッと合うようになる。そこがピントの合ったところだ」と先輩に言われてやってみたのですが、さっぱりわかりません。私なりに何度もその作業を繰り返してみるものの、わかったような、わからないような…。
取材ですから、動いている人を撮らなければいけません。カメラを借りて、渋谷のスクランブル交差点に出掛け、横断歩道を渡ってくる人を何枚も撮ってみました。ある時は、先輩の草野球の試合に行って写真を撮りました。撮るたびに写真をチェックしてもらい、少しずつコツがつかめてきました。しかし、取材は屋内がほとんど。今度は屋内のあまり明るくない所でフラッシュを使って撮影をする練習をしました。理論がきちんとわからないと気が済まない性格でしたから、カメラや写真関係の本や雑誌を購入して、一眼レフカメラの構造や撮り方なども勉強しました。 “初心に帰る” の続きを読む

