活字嫌い

最近はコンピュータ編集なので、「活字」という言葉は死語になりましたが、本を読まなくなったことを「活字離れ」と言っていましたよね。亡くなった母に「あなたが雑誌を作っているなんて考えられない」と、よく言われましたが、私は子どものころから本を読むのはあまり好きではなかったように思います。しかし、結構、要領がいいので、夏休みの宿題の読後感想文で、ある小説の最初の数ページと、真ん中の数ページ、そして、最後の数ページに、前書きと後書きだけを読んで、とても良い成績をいただいたこともあります。

雑誌は正確な情報が命ですから、さすがにテキトーに読んで記事にするということはできません。記事、特にコラムを書くときは、しっかりいくつもの資料を読んで書きますが、短い文章にまとめるためには、あの子ども時代の、一部を読んでテキトーに書く訓練(?)が、ポイントをつかむために役に立ったようで、かなり短時間でまとめることができます。
それにしても、よくこの私が30年以上も編集者をやっていられたと思います。そして、振り返ってみると、意外にも本をよく読んでいたことに気づきました。活字は苦手ですが、好奇心は旺盛なので、その好奇心を満たすために本や雑誌をよく読んでいたのです。

 nf528主宰 二神 典子

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