電気自動車

排気ガス規制の問題などに関係して、電気自動車が注目されています。まだ価格が高いのが問題ですし、1回の充電で走ることのできる距離ももう少し長くなってくれればと思います。それより何より、マンションの住人にとっては、充電設備が電気自動車の購入に踏み切れない一番大きな問題です。
もう30年くらい前のことになりますが、私は50ccの中古のバイクをもらって乗っていました。皆さまご存じだと思いますが、東京は山手線の駅から放射線状に外に向かって電車の路線が延びていて、路線が違うとすぐ近くにもかかわらず、都心部まで行き山手線に乗り換えて、そこから別の路線に乗り換えるというように、随分遠回りをしなければいけません。その点、バイクは便利で、電車だと1時間もかかる所に15分か20分程度で行くことができます。
とても重宝していたのですが、1つだけ大きな問題がありました。それは、2週間に1回程度しか乗らなかったので、しょっちゅうバッテリーが上がってエンジンがかからなくなるということです。見かねた知り合いが充電器を作ってくれました。バイクからバッテリーを外し部屋で充電できるようにしてくれたのです。おかけで、危なそうなときは事前に充電することができるようになったので、バッテリー問題が解決し、本当に重宝な乗り物になりました。
さて、本題に戻りますが、電気自動車もバッテリーを取り外して充電ができるようにならないでしょうか。また、私は写真撮影に出かけるとき、フル充電した予備のバッテリーを持って出かけるのですが、自動車もフル充電した予備のバッテリーを積んでおくと便利だと思います。
いずれにしても、日本では、外出先で充電できる設備がまだまだ少ないのが実情です。少し前になりますが、テレビで、ヨーロッパで道端に電気自動車用の充電設備がたくさんある光景を見ました。300円払えば1時間路上駐車ができるというシステムを東京都内でもよく見かけます。それと同じような感じで駐車中に充電ができるのです。
世界は電気自動車へと流れが変わりつつあります。日本の自動車会社は素晴らしい技術がありますから、その流れの先端に立つことは難しいことではないかもしれません。しかし、充電設備のようなインフラは自動車産業だけでどうにかなるものではありません。国や地方自治体の戦略的な設備投資や関連する法律の改定が、電気自動車普及の重要なカギになると思います。その戦略に弱いのが、日本の欠点のようにも思います。

nf528主宰 二神 典子