キャッシュレス時代の子どもたち

ある機関の調査によれば、お年玉の約10%がキャッシュレス、すなわち現金でない方法で渡されているとのことです。そのために子どもたちにお金について教えたというのがニュースの内容です。
そういえば、携帯電話が普及して、今、若い人たちは公衆電話の使い方を知らないという話を聞きました。地震などの災害が起こった時、公衆電話は一般の電話やケータイ電話よりつながりやすく、有効な連絡手段だそうです。そこで、公衆電話の使い方を子どもたちに教えたというニュースを見たのはそれほど前のことではなかったように思います。
給料を現金で渡され持って帰ってきたお父さんたちのありがた味は、給料が銀行振り込みに変わってなくなったと言われています。
私が勤めていたところは給料が銀行振り込みになるのが遅かったので、入社して数年は毎月の給料もボーナスも現金でもらっていました。いつもは薄い給料袋が、ボーナスの時は少し厚くなり嬉しく思ったものです。通帳に並ぶ数字を見るだけより実感があったように思いますが、その通帳も廃止される傾向にあります。
キャッシュレスで買い物をすれば5%の還元が受けられるといった制度を待つまでもなく、私自身は現金で買い物をすることがほとんどなくなりました。もちろん残高がなければ何も買うことはできませんが、以前に比べるとお金のありがた味は少なくなっているように感じます。
これからますますお金に触れなくなるであろう子どもたちの世代の金銭感覚はどのように変わってくるのでしょうか。財布にお金が入っていなければ、いくら使い方を覚えてもいざという時に公衆電話を掛けることができません。そのうち公衆電話もキャッシュレスでかけられるようになるのでしょうか。
インターネットに大規模な不具合が起こったとき、私たちは一切買い物ができなくなってしまうのでしょうか。キャッシュレスは便利ですが、いろいろな課題も含んでいるようにも思います。

nf528主宰 二神 典子