西日本で広域にわたって、豪雨による大きな災害が起こりました。毎日、テレビで被災地の状況が報道されていますが、被災された方々のお気持ちを察するとどのようにお見舞いを申し上げたらいいのか、言葉が見つかりません。
この豪雨の前かなり早い段階で、気象庁は記者会見を開き、注意を促しました。たまたまリアルタイムでこの会見を見ていた私は、担当者の緊迫した様子に、なんだかわからない恐怖を覚えました。そんなに早い段階での記者会見をこれまでに聞いたことがなかったからです。
そもそもお役所というものは前例やこれまでの慣習といったものを大切に守っていこうとするものだと思っています。そんな中で、気象庁があの段階で会見を開くというのは、前例にないことをやったということで、担当者の皆さまはそれほど大きな危機意識をお持ちだったのではないかと推察します。
しかし、国や地元の自治体にこの危機意識がきちんと伝わっっていたのか、とても疑問に思います。私のように、たまたま気象庁の緊急会見をリアルタイムで見ていたら、すぐに避難をする気になったかもしれません。しかし、例えば危機意識の薄い自治体だったとして、そこから「避難指示」が出されたとしても、住民は「ここはこれまでに水につかったことはないので大丈夫」「裏の山には砂防ダムができたから安全」などと、緊急性や危機感を感じないかもしれません。
私は「トップダウン」というのがあまり好きではありませんが、こういう時には「トップダウン」も必要ではないかと思いました。今回のような場合は、気象庁の発表を受け、首相が防災服を着て緊急記者会見を開いて注意を促し、知事や市長も同じく防災服で緊急会見を開けば、住民の方々ももっと早くに避難を開始したのではないかと思い、残念でなりません。
そうすれば亡くなられる方がもっと少なくなったのではないか、また、助かった方々もほとんどの方が、大切な品を失われたと思いますが、その一部だけでも持って避難することができたのではないか、と思います。
前例がないと言われる異常気象が世界のあたらこちらで起こっているそうです。私たちも、国や自治体に言われるまでもなく、自宅や勤務先などの状況を把握し、無駄になってもいいから早めに避難するよう心掛けなければいけないと思います。私は早速、自宅周辺の状況をハザードマップで確認しました。
nf528主宰 二神 典子