猫に小判

「猫に小判」。『広辞苑』には「貴重なものを与えても何の反応もないことのたとえ。転じて、価値のあるもでも持つ人によって何の役にも立たないことをいう」とあります。
先日、有馬温泉から三宮に向かう途中で出来事。有馬温泉から神戸電鉄有馬線の電車に乗り有馬口で同じく神戸電鉄有馬線の電車に乗り換えて谷上まで行きました。そこで、北神急行の電車に乗り換え、乗り換えはありませんが一駅目の新神戸からは神戸市営地下鉄となって三宮に着くという行程です。

谷上駅に電車が着くと、隣のホームに紅白の幕が見えます。駅員らしい方々とカメラやスマートフォンを持ったかなり多くの人たちも見えました。「何があるの?」好奇心旺盛な私が興味をそそられ見ていると、そこに明るいグリーンとシルバーの電車が入ってきました。「みんながこの電車を待っていたのだ」ということは理解できたものの、私にとっては何の変哲もないフツーの電車にしか見えませんでした。先を急いでいたこともあり、その時はそのまま電車を乗り換えて三宮に向かいましたので、私の「???」は解決されないまま。
翌日、ネットニュースで自分が見た光景を見つけました。記事によれば、「神戸電鉄の開業90周年のイベントとして、旧塗装(スプリンググリーンとシルバーグレー)を復刻したメモリアルトレインを運行させることになった」とのこと。そして、私がたまたま見たのは、そのデビューイベントだったようです。
鉄道ファンはもとより、長年この地域に住んでいる方々にとっては、記念すべき懐かしい瞬間に出合えたということになるのでしょうが、鉄道のことにもこの地域のことにも不案内の私にとっては単なる「???」だけのこと。ネットのニュースで疑問が解決できて良かった程度のことです。まさに「猫に小判」です。
モノゴトやシナモノに対する価値は人それぞれ違います。ある人にとっては大事なものでも別の人にとってはゴミにしか思えないものがあります。また、同じ人の中でも、時期によって大切だと思えたり、それほどでもなくなったり、いろいろな思いがあると思います。その時その時、その人その人の価値観は他人にはわかりませんが、ほかの人の価値観も否定しないで、大切にしていきたいと思っています。

 nf528主宰 二神 典子

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です