伝言ゲーム

子どものころ、伝言ゲームをして遊んだことのあるという方は少なくないと思います。最初の人に何か文章を与えて、それを順番に数人の人に伝え最後の人が自分の聞いた文章を発表するというものです。
大抵の場合、最初の人が与えられた課題とはかなり異なった内容になってしまっていて、みんなで笑っておしまい、ということになります。
伝言ゲームは遊びですから、笑っておしまいでいいのですが、これがビジネスとなると、笑っておしまいでは済まされません。
最近、ある会合での出来事です。一枚の写真とともに、それに関するエピソードが紹介されました。その話に「えっ?」。知らなければ、単純に「そうか」と思える内容だと思うのですが、その写真の出来事に関わった私としては、全く違ったエピソードになっていたので、驚いてしまったという次第です。発表をした方が嘘をついたというわけではありません。ある出来事に、それと近い時期に起こった別の出来事を関係づけて、違うストーリーになってしまったのだと思います。2つの出来事はいずれも事実です。関連があると考えるのも当然のことです。そこまでは何の問題はありません。
問題は、その想像した出来事、仮設を確認、検証しなかったということです。これは発表した本人の想像したことなのか、誰かが想像したことを聞いて、その方が納得してしまったのかわかりませんが、公の席での発表は、それを聞いた人が誰かに伝えてしまう、事実でないことが事実として広まってしまう危険性があります。
今回は、エピソードがすり替わっても大きな問題になるような内容ではありませんでしたが、内容によっては誰かを傷つけたり、誰かが不利益を被ったりすることも多いと思います。
私は発表された方に正しい経緯を話しましたが、何かを発表したり、執筆したりする場合、いくつかの資料にあたったり、何人かの人に話を聞いたりして、事実確認をしっかりしなければいけないと考えています。

nf528主宰 二神 典子