随分以前からですが、私は長財布を使っています。表題の「財布がいっぱい」というのは、この長財布がいっぱいという意味ですが、お金でいっぱいになっているということではありません。「カードでいっぱい」という意味です。昔はスタンプカードがあって買い物をするとその金額に応じてスタンプを押してもらい、枠がいっぱいになると記念品がもらえたり、割引券代わりに使えたりしました。その後出てきたのがポイントカードやクレジットカードです。デパートやショッピングセンター、チェーン店などのカードを使用するとポイントがたまったり、割引を受けられたりというような特典があります。そのために、よく行く店のポイントカードやクレジットカードを作りカード枚数が増えてしまい ました。私が財布を買う時の条件は、カードがたくさん入ること。
最近は、スマートフォンの普及に伴い、企業が競ってアプリを開発し、そのアプリを見せるとポイントがたまったり、割引が受けられたりするようになってきました。せっかくの特典を利用しないのももったいないと思い、よく行くお店のアプリをダウンロードしていたら、今度はスマホがアプリでいっぱいになってきました。
私たちがささやかな特典を狙って利用するカードやアプリから得る情報は、企業にとって宝の山、とても貴重な情報です。私たちはささやかな特典と引き換えに、自分の買い物行動、その他のプライバシー情報を企業に提供していることになります。
それがわかっていても、やっぱりカードやアプリを利用してしまいます。スーパーマーケットでつく1%程度のポイントでも、とても貴重なのです。銀行の定期預金で0.1%しか利息のつかない時代ですから。
nf528主宰 二神 典子