ふるさとを遠く離れて…

先日、高校の同窓会に出席しました。東京とその近郊に在住している同窓生たちが同窓会をつくり、年1回、卒業年という枠を超えて集まっているのです。私がこの存在を知ったのは3~4年前のことだったと思います。高校時代の友人に誘われて、というのではなく、たまたまお会いした大先輩に誘っていただいて、出席したのが最初です。ですから、初めて出席した時には、誰一人知り合いがいないだろうと思い心細かったものです。
しかし、会場に行くと同期の友人が受付をしていて、卒業年ごとに比べれば、ほかの年より多くの人が出席していました。卒業以来、初めて会う友人もいました。高校時代には、お互いにその存在すら知らない人もいました。そもそも仕事や家庭の事情などがあり、私自身、20年くらいは、高校に限らず、学生時代の友達との交流が途切れていました。
私は、昨年、早期退職をして第一線の忙しい仕事を離れましたが、友人たちも順番に退職を迎える年齢になりました。2次会でご一緒した6年先輩の方が、「みなさんはこれから大変な時期を迎える。会社に残るのか、別の会社に勤めるのかなど、選択を迫られると思う」と話してくださいました。私自身は独立をしたものの、この仕事を軌道に乗せるにはまだ少し時間が必要です。その過程で、今考えているのとは違う選択をすることになるかもしれません。
それにしても不思議なものです。ふるさとを遠く離れた東京で、久しぶりに会った友人たち、在学中はまるで接点のなかった先輩・後輩たちが、心和む時間をくれます。そこには確かにふるさとのぬくもりがありました。

nf528主宰 二神 典子