10月31日はハロウィンでした。ハロウィン当日と、その前あたりの週末に、仮装した人たちが渋谷駅周辺に集まるようになったのはいつの頃からだったでしょうか。夜、出張からの帰り、渋谷に向かう電車に乗っていたら仮装をした人が数人乗り込んできて驚いたのは、それほど前のことではなかったように思います。
ハロウィンは古代ケルト人が起源と考えられている祭のことで、もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったそうですが、日本では、宗教とはほとんど関係なく、盛んにおこなわれるようになりました。
しかし、渋谷の騒ぎは年々ひどくなり、私はハロウィンの時期が近づくと、渋谷には行かないようにしています。騒ぎに巻き込まれたくないからです。
ところで、川崎駅周辺でのハロウィンパレードはかなり盛大なお祭りですが、日本でハロウィンが盛んでなかった1997年に始まったそうです。毎年多くの人が集まり、今年(2018年)のパレードの参加者は約2,200人、見学者は約12万人とのことですが、毎年、大きなトラブルは発生していないようです。川崎では何年もかけて、皆が楽しめるイベントとしてハロウィンパレードを育ててきたようです。
毎年、年末になると街がクリスマスのイルミネーションで美しく輝きます。最近は自宅でクリスマスパーティーを開いたり、恋人たちがレストランで静かに食事をしたり、といった過ごし方が増えてきたように思います、しかし、私が子どものころのクリスマスの思い出といえば、おじさんたちがサンタの赤い帽子をかぶり千鳥足で銀座の街を歩いている映像が思い浮かびます。
クリスチャンでない多くの日本人とってクリスマスは宗教色のないイベントにすぎません。おじさんたちがバカ騒ぎをしていた時代から何年もかけて少しずつ熟成し、今ではいい意味での季節のイベントとして定着したように思います。
さて、渋谷のハロウィンはどうでしょうか。若者たちがバカ騒ぎをして周囲の人たちに迷惑をかけるだけで終わってしまうのでしょうか。誰でもが楽しめる健全なイベントとして成熟するのでしょうか。
ハロウィンで荒れた翌日の早朝、若者を中心にゴミ拾いをするグループがいました。その後も、いくつかのグループが自主的にゴミ拾いをして、渋谷区が主体となって実施したゴミ拾いの活動が始まるころには、ほとんどゴミが残ってなかったそうです。これは熟成のための一歩かもしれません。
ある情報番組で、クルマが押し倒された映像を見ていたコメンテーターの一人が、「よく見ると、暴走している人の中にはきちんと仮装をした人は一人もいなかった。悪いことをしているのは、いい加減な仮装をしている人たちだけだ」と述べていました。本当に仮装やお祭りを楽しみたい人たちは、その機会を奪われたくないはずですから、秩序ある行動をするでしょう。これらの人が中心になり、暗黙のルールができてくるかもしれません。
せっかくの楽しいイベントです。若者だけでなく、子どもたちも、お年寄りたちも安心して、一緒に楽しめるイベントとして成熟していってほしいものです。
nf528主宰 二神 典子