安全を取るか、便利さを取るか

先日、トロント(カナダ)でロータリーの国際大会が開催されました。会場は、エア・カナダ・センター。参加者には、会場に入るための持ち物の規制について書かれたメールが事前に送られてきました。そこには荷物のサイズが書かれていて、それより小さいものでなければいけないとなっていました。また、バックパックはダメで、やわらかい素材のものでなければいけないとも書かれていました。
大抵の場合、このような会場はエアコンが効きすぎていて寒いので、私はカーディガンやひざ掛け、レッグウォーマーなどの防寒具をたくさん持参します。一眼レフのカメラも持って行きます。指定されたサイズのカバンでは収納しきれません。仕方ないので、防寒具は着ていくことにし、ひざ掛けはいつもよりコンパクトなものにして、何とか指定サイズのカバンに押し込みました。

会場ではカバンはすべて開いてチェックされ、人間は金属探知機のゲートをくぐらなければいけません。入口はいくつもありましたが、1万人以上もの人たちが集まる会合ですから、随分長い時間待たされた人もいたようです。
ところで、新幹線での殺傷事件を受けて、荷物チェックをするべきではないかという意見を聞くようになりました。それに対して、利便性が失われるという考えも根強くあり、実施の方向には向かっていないようです。代わりに、監視カメラを増やすというような対策が取られているようですが、それでは事件が起こった時に犯人を特定したり現場の状況を把握する役には立っても、命を守る役には立たないように思います。凶器を車内に持ち込ませないことこそが重要なのです。
私も新幹線はよく利用しますし、ギリギリに飛び乗ることも多いのですが、今回のカナダでの経験を通して、便利さを犠牲にしても安全を考慮しなければいけない時代になったのだなと思いました。空港のようにゲートを設けてチェックをするのは費用のことはもちろんですが、スペースの関係でも難しいかもしれません。しかし、最近はいろいろな技術が開発されどんどん進歩していますから、本気になって考えれば解決策が見つかるはずです。
それでも、今までより30分早くに駅に行かなければいけなくなるかもしれませんが、私は決して文句は言いません。安全第一です。

nf528主宰 二神 典子