マイナスをプラスに変える

新型コロナウィルスの感染が拡大している影響で、遂にと言いますかようやくと言いますか、今夏に予定されていた東京オリンピックの延期が決まりました。さまざまな状況を考えると、当然のこと、仕方がないことと思われる方は多いのではないでしょうか。
一方で、オリンピックに合わせたさまざまな取り組みをしてこられた方々にとっては、大きな打撃となることでしょう。ここのところのインバウンド需要の増加がオリンピックによって拍車がかかることを期待して、都内には新しいホテルがどんどんできています。オリンピック期間中には宿泊予約が取れないほどでしたが、恐らくほとんどがキャンセルされることになるでしょう。それでなくても新型コロナウィルスのせいで宿泊や宴会等のキャンセルが相次いでいるこの業界のこと、「オリンピックまでがんばれば…」と踏ん張っていた経営者の方々は目の前が真っ黒になっていらっしゃることと拝察いたします。
もちろん、ホテルだけではなく、さまざまな企業で、そして自治体でどのように対応していけばいいのか、苦慮されていることと思います。何よりも代表選手はじめ、オリンピック関係者の皆さまにとっては、中止の衝撃は大きいと思います。私は、これらの方々に心を寄せていきたいと思います。
新型コロナウィルスの影響でお客さんが来なくなってしまった飲食店を支援しようとクラウトファンディングがいくつか立ち上がり、例えば今2,000円の支援をすると6月以降に2,200円分の飲食ができるといった内容なのだそうです。何の予告もなくほとんどなくなってしまった収入を補うことによって何とか経営を続けられるようにするという点で、とてもいいアイデアだと思います。これによって、新しい人に店を知ってもらえるという効果があるかもしれません。
新型コロナウィルス感染のために政府も景気が落ち込まないように、また、失業したり収入減になったりした人たちを支援するために、現金給付、商品券給付、消費税減税などさまざまな対策が考えられ議論されているようですが、いずれも決め手に欠くように思います。
何よりもスピードが遅い。それに比べると、民間企業の、特に新しい技術を活用している企業の動きは速く、適切なものが多いように思います。政府の支援策にも、これらの若い新しい頭脳を借りることを、ぜひ考えいただきたいと思います。
日本国内でもジワジワと感染者数が増えてきて、ここ2~3日は首都圏で感染爆発が起こるかもしれないと危惧されるようになってきました。若い人に向けての警告、協力お願いのメッセージもたくさん出されていますが、肝心の若い人の心には届いていないようです。政府や専門家の方々の会見だけではなく、若い人に影響力をもつ人たちから、彼らの表現の仕方で、SNSなどを通してメッセージを発信してもらうなど、伝達手段を早急に見直すべきと考えます。
危機感のない若者が出歩いたり集まってしまうのを非難するのではなく、彼らに危機感を伝えられない自分たちのコミュニケーション能力を反省すべきと思っています。
いま広がっている支援のための活動が、新しいビジネスチャンスにしていくこと、世代間のコミュニケーションギャップ埋める方法新しい手段の開発、オリンピックの延期による打撃を少なくする方法など、無理してでもプラス思考でいきたいものと思います。そして、新しい世代が伸び伸びと活動できるきっかけになればとも考えています。

nf528主宰 二神 典子