自己責任…でも「決めてくれたら従うよ」

日本国内で、特に都市圏で新型コロナウイルスの脅威がジワジワと迫りくる中、東京都や周辺の件では、不要不急外出自粛の要請が出されています。多くの人は、これに従っていますが、一部の人たちが「自己責任でやっています」と、遊びに出かけています。若い人と言われますが、年配者にもこのような人は結構いるようです。
自分の命が危険にさらされるかどうかは本人の勝手、つまり自己責任で済ますことができるかもしれません。しかし、新型コロナウイルスの感染に関しては、自分が感染するリスクだけではなく、そのことによって身近で大切な人の命、そしてそれらの人たちにつながる多くの人の命を危険にさらすことになります。それでも責任を取ることができるのでしょうか。
「自分が良ければ他人のことなんてどうなったって知らない」という方々に申し上げたい。感染が広がり続け収束が遅れれば、あなた自身が職を失い路頭に迷うことになるかもしれないのです。親が失業して、学校に通えなくなってしまうかもしれないのです。国に莫大な費用が発生して財政に余裕がなくなり、年金やいろいろな福祉が縮小されるかもしれません。つまり、自分自身に降りかかってくるのです。
一方で、「縮小なんて個人任せにして政府は無責任。国が禁止と言ってくれれば従います」と言う人もいます。普段は自由とか、縛られたくないなどと言いながら、他人に決めてもらわないと判断できない、決められないというのも情けないことです。
今、私たちは情報を得るためのたくさんの手段をもっています。世界の情勢、日本の状況、地域社会の様子を知り、自ら判断するだけの情報を手に入れることは難しいことではありません。
「東京が大変」と言っても、ニューヨークやローマ、パリ、ロンドンなどの都市に比べれば危機は回避できる余裕があると思います。しかし、もはや政府も地方自治体も、医師の方々も、やらなければならないことが多すぎて、とても行き届いた対応ができる状況ではないように思います。
「指示待ち」ではなく、積極的に考え自粛するものは自粛する、支援や協力できることを考えて積極的に行動することが大切なのではありませんか。今こそ、一人ひとりの能力が試されているのだと思います。

nf528主宰 二神 典子