100年に一度の…

近年、「100年に一度の」とか「今までにない」という表現を耳にするようになりました。先週末は九州で集中豪雨による浸水や土砂崩れが発生し、その前線は中部地方でも猛威を振るいました。被害状況は深刻で地域も広範囲にわたります。梅雨前線や低気圧による災害の可能性はいまだに高いままで、既に大きな被害が出た地域でも、気を緩めることのできない状況が続いています。
しかし、これは今年に限ったことではなく、昨年もその前も同じように豪雨による大きな被害が出ています。こうなると、「100年に一度」ではなく「日常」の出来事と考えるべきなのかもしれません。私たちはどこに住んでいても、災害のニュースを「他人事」として見るのではなく、「いつ自分に降りかかってくるかわからない」ものとして捉えなければいけません。
近年は、どうすれば合理的なのか、無駄がないのかを追求することに終始するようになってきました。また、AIなどを駆使して数値で可能性を探り行動を決定することも増えてきました。日本では「前例がない」ことを実行することには大きな抵抗がありますし、「前例がない」ことで安心することもあります。
しかし、災害に関しては「これまで大丈夫」だったと安心するのは禁物です。避難しても自宅に被害がなかったケースもあると思いますが、「無駄だったな」と思うのではなく、「被害がなくて良かった」と思うようにして、その無駄を繰り返すことが、自分や家族の命を守ることになるのだと思います。「無駄」だと思うものが実は「合理的」な行動ということになるのです。
この無駄を省く、合理的に動くという考えが、実際には無駄や非合理的なものを生んでいるケースは、災害に限ったことではありません。ビジネスの世界でも数値だけでは十分ではなく、もやもやしたものの中からも新しい発見があります。それこそが、人間の持つ能力、AIに勝る能力だと思います。「もやもや」を大切に、「もやもや」をカタチにできるよう思考力、想像力を鍛えたいものです。

nf528主宰 二神 典子