2020年の大晦日に思うこと

ホームページにコラムを書くのは随分久しぶりのことです。「もうやめてしまったのでは」と思った方もいらっしゃったことでしょう。いろいろと考えることは多かったのですが、いざ書くとなると、思うように言葉が続かなかったのです。
編集の仕事をしていて、書くことは苦にならないはずなのですが、「だから何なの」という気持ちが先だってしまって、うまくまとめるこができませんでした。
今年の初めに新型コロナウイルスの存在が明らかになって以来、今日に至るまで、予想をはるかに超えて、このウイルスが拡大をし続け、以前とは全く違う世界になってしまいました。
今年は、東京オリンピックが開催される年で、多くの人がいつもより華やかな年になるだろうと期待しながら新年を迎えたことと思います。それが一転して、閉ざされた息苦しい年になってしまいました。
医療関係者は、休む暇もなく未知のウイルスとの闘いを続け、そのおかげで多くの人々の命が救われ、ウイルス自体こともいろいろとわかってきました。わかってくると、安心できることが少しずつ増えてくると同時に、新たな心配も出てきます。
医療関係者の方々への感謝は言い尽くすことができないほどです。多くの方々は、私と同じようにお考えのことと思いますが、一方で、医療関係者とその家族の方々を中傷・誹謗する声もあると聞きました。感染者と接しているので、他の人に感染を拡大させるリスクがあるということが理由のようです。
しかし、誰よりも知識と経験がある専門家たちです。十分気をつけて患者と向き合い、それでも念のために、ホテル暮らしをしたり、帰宅しても家族と接しないようにしたりされていると伺いました。中途半端な、聞きかじりの情報をさらにネットで拡散して、広げてしまう。そんな人たちの方が、よほど感染リスクがあって危険、近づきたくありません。
経営が困難になり倒産したり、廃業したりせざるを得なかった経営者の方々、理不尽にも解雇されてしまった方々など、この年の瀬をどのようにお迎えなのか心配は尽きません。その一方で、この新しい世界にいち早く商機を見いだして成功した企業や経営者も多いようです。
私は、自宅で過ごす時間が増え、人と会うことがめっきり減った状況の中で、新しい何かを見つけようとしていた一年間だったように思います。まだ、その何かを見つけられないでいますが、自分の仕事に関して、少し基礎体力がついたように思います。
3年前に早期退職をしたとき、仕事に忙殺されプライベートな時間を持つことができず、その時点で自分に求められているものに対しての基礎の部分が足りないという焦りを感じていました。退職後2年間は気の向くままに海外旅行をしたり、カメラをもってドライブに出かけたり、長年もつことのできなかったプライベートな時間を楽しむことができました。それらが許されなくなった今年は、デザインや編集のこと、広報のことなどを学び直したり、ZOOMなどの新しいツールについて学んだりと、少しですが基礎の強化ができたように思います。退職時の目標を何とかクリアして、さて、来年は…。新しい何かを発見できるように努めたいと思っています。
新型コロナウイルスのワクチンがようやくできましたが、全員に接種されるまでにはまだ時間がかかるようです。感染力の強いウイルスも出てきたようです。まだまだ気を許すことはできない状況ですし、暗い話題も続くことと思いますが、前向きに新しい年を迎えたいと思います。
コラムも再開いたします。読者の皆さま、来年もよろしくお願いいたします。

nf528主宰 二神 典子