あけましておめでとうございます。
元日の楽しみの一つに年賀状がありますが、毎年、数は減っているそうです。年の初めのごあいさつも、メールやSNSなど、年賀状に代わるツールがたくさんありますから、年賀状の枚数が減ってきているのも納得できます。
そもそもお正月そのものが、以前に比べて特別の日ではなくなってきているのかもしれません。ですから、メールやSNSも含め一切特別なことをしないという若者も多いようです。
そのような時代ではありますが、私は今でもかなりの数の年賀状を送ります。数が多いので、すべてパソコン任せで自筆はナシ。残念ながら絵は下手なので年賀状のアイデアが載っている本を買ってきてそこから私らしい一枚を選ぶのですが、文章はオリジナルです。「旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします」というようなありきたりなものではなく、近況を記したり、その年の目標を書いたり、できるだけ今の自分を知っていただけるように心がけています。
仕事を始めたばかりの若いころ、編集者の私が仕事をスムーズに進めるためにはまず名前を知ってもらうことだと思いました。今よりもっと男社会だった時代です。20代の女性の私が名前を憶えてもらい、どの程度仕事ができるのかを知ってもらうのはとても難しいことでした。そこで考えたのが、特に仕事に関しての情報を入れた近況報告の年賀状を出すことです。
当時の私にとっては、その短い文章を埋めるだけの実績を積むことは大変なことでした。いつも、年賀状に書けるだけの成果を出そうと頑張っていました。いま考えれば大した内容ではなかったと思いますが、それでも毎年少しずつ私のことを覚えてくださる方が増え、いただく年賀状の数も増えていきました。
編集長になったとき、その20代から私を見てきてくださった方々が、忙しいにも関わらず快く原稿を引き受けてくださったり、私が求めている情報に関してよく知っている人を紹介してくださったり、未熟な新米編集長を支えてくださいました。
年賀状を単なる面倒な慣習と考えるのではなく、自分自身や会社のことを知ってもらうツールと考えれば、これは効果的な広報、PRにつながるのではないでしょうか。そう考えれば、そこに書く内容も変わってきます。
もちろんFacebookにも年賀状をアップしていますが、印刷物の年賀状とは絵も文章も違います。少し一般向けにしています。相手に合わせて強調する内容を変えることも、広報、PR活動の基本です。
nf528主宰 二神 典子