マイナスをプラスに変換 1

新型コロナウィルスが猛威を振るい、人々の健康ばかりでなく、経済面でも大きな打撃を与える様相を見せています。中国では多くの人々が感染し多くの方々が亡くなられています。日本国内でも感染が少しずつ広がってきています。早く終息してくれることを願いつつ、とりあえずはマスクに手洗い、と実践されている方も多いと思います。
そんな中で、横浜港に接岸された大型クルーズ船のダイアモンド・プリンセス号では、乗員・乗客に感染が広がっていて、連日大きく報道されています。感染者数がどのくらいまで増えていくのか、乗客・乗員の方々は不安と不自由な生活を強いられ、持病が悪化するなど、ほかにも悪い影響が出てくるのではないか心配されていらっしゃることでしょう。
船に乗られている方々が一番不安に思われているのは確かですが、そうでない人たちの間にも不安は広がり、「クルーズ船は怖い」「絶対に船旅はしない」と考えるようになった方々も多いと思います。
クルーズ船を運航している船会社や旅行代理店は、対応に追われていることと思いますが、キャンセルが相次ぎ、新規の申し込みが減るのではないかと、新型コロナウィルスの問題が終息した後の影響も心配されているのではないでしょうか。
そのような状況下で、同船の運営会社「プリンセス・クルーズ」は、今回の船旅の料金を全額返還することを決めたとのニュースが飛び込んできました。料金を返してもらったところで、乗客の方々の苦しい毎日が変わるわけではありません。また、「船旅はしない」と思った人々の心を変えるまでには至らないと思いますが、運営会社としては、船旅離れを食い止めるためのささやかな一歩にしたいと考えているのかもしれません。
この経験を基に、船の中で感染者が出たときの対応を見直し、人々の理解と共感が得られるように情報を出し、皆が安心して乗船できるようにするのが喫緊の課題です。マイナス情報こそ、きちんと発信すべきと思います。情報がなくて疑心暗鬼になっているより、何倍も安心できます。そして、マイナスイメージをプラスイメージに変換できるかどうか、危機の時にこそ、その企業の本当の力を見ることができます。
広報の教科書にも、危機に陥ったときの対応が良くてそれ以前よりも業績が伸びた企業の事例がたくさん載っています。

nf528主宰 二神 典子