取捨選択

原稿の募集要項などに「取捨選択は編集部にご一任ください」と書かれていることがあります。編集者やライターでなくても、自分が書いた原稿が字数オーバーで短くしなければならないという経験をお持ちの方も多いと思います。
よく「なかなか短くできなくて」というご相談をいただきますが、それは当然のことです。取捨選択というのは、何を取り上げて、何を捨てるかを選ぶということですが、多くの場合、「短くするのだから」ということで捨てることばかりを考えてしまっていませんか。自分が大事だと思って取り上げた内容ですから、捨てることなんてできません。 “取捨選択” の続きを読む

電車で日経新聞

大学時代に国際法や国際関係論を専攻していた私には、経営学という分野は全くの門外漢。その私が大学院で経営学を勉強しようと思ったのは、仕事でロータリアン(ロータリークラブの会員のことです)と話をすることが多くなってきたためです。ロータリアンの多くは経営者です。雑談にはビジネスの話がよく出てきますが、一般の企業に勤めたことのない私にとってはわからないことばかりでした。ロータリーの雑誌の編集という仕事を続ければ、ロータリアンと話をする機会が増えることは疑いのないことです。若いうちなら知らないでも許されるでしょうが、40歳になった私が「わかりません」では格好がつきません。 “電車で日経新聞” の続きを読む

現場主義

前回「写真は真を写すのか」というテーマで書きました。今回はその続編です。
私たちが日ごろ目にする、新聞や雑誌の写真、またはテレビの映像などは、ほとんどがプロによって撮影されたものです。プロは、そのニュースの内容を読者や視聴者に、より伝わるような画像や映像を撮ろうとするのだと思います。これは、ねつ造とか情報操作といったものではなく、より真実に迫ろうとした結果です。 “現場主義” の続きを読む

写真は真実を写すのか

「聞くと見るでは大違い」などという経験は誰にもあることだと思います。私自身、取材で写真を撮ったり、その写真を雑誌に掲載したりする時、多少の細工をすることがあります。あるイベントの会場全体を撮影すると閑散として見えてしまうといった場合です。人が集まっている所だけを撮れば、盛況に見えるのです。
何かを加えたり、何かを消したりしているということではないので、その写真は決してウソやヤラセではありません。その時、そこにあった事実です。しかし、その場にいなかった人が受ける印象が、事実とは違ったものになるかもしれません。 “写真は真実を写すのか” の続きを読む

1ドルでクレジット!?

今年の6月、アトランタ(アメリカ・ジョージア州)を訪れた時のことです。アトランタには、Street Car(路面電車)が走っています。私は、この電車に乗ってキング牧師国立歴史地区に行こうと考えていました。
駅には券売機がありますが、これが問題でした。この電車のチケットは一律に1ドルです。そこでチケットを買おうとしのですが、どこにも現金を入れるところがありません。アトランタには、このStreet Carのほかに、MARTA(Metropolitan Atlanta Rapid Authority)という地下鉄(地上を走っている区間もあります)があります。この電車は現金でチケットを買うことができますが、そのほかにBreezeカード(プリベイトカード)があります。Street Carは、このBreezeカードかクレジットカードでしかチケットを買うことができません。つまり現金でチケットが買えないということなのです。でも、1ドルでクレジット払いというのには、かなり抵抗がありますよね。皆さまはいかがですか? “1ドルでクレジット!?” の続きを読む

活字嫌い

最近はコンピュータ編集なので、「活字」という言葉は死語になりましたが、本を読まなくなったことを「活字離れ」と言っていましたよね。亡くなった母に「あなたが雑誌を作っているなんて考えられない」と、よく言われましたが、私は子どものころから本を読むのはあまり好きではなかったように思います。しかし、結構、要領がいいので、夏休みの宿題の読後感想文で、ある小説の最初の数ページと、真ん中の数ページ、そして、最後の数ページに、前書きと後書きだけを読んで、とても良い成績をいただいたこともあります。 “活字嫌い” の続きを読む

ボロボロのプラスチック

断捨離、いえいえ終活をしていて、一つの紙袋を見つけました。その中に、プラスチックの袋がありました。スーパーなどで買い物をした時にもらう袋に似た感じの袋です。この袋は、数年前にロータリーの雑誌関係の会議でオーストラリアに行った時に、どこかの店でもらったもので、中に、その時の資料を入れていました。袋を取り出そうとして驚きました。ボロボロと細かく分解していくのです。一見、日本のスーパーでもらう袋と同じように見えるのですが、材質は全く違うものだったのでしょう。恐らく、ゴミとして埋めた時に土に返る、そんな素材でできた袋だったのだと思います。 “ボロボロのプラスチック” の続きを読む

昔撮った写真

退職前、事務所の荷物を片付けていて、20年くらい前に撮った写真を見つけました。整理できないでいた写真が段ボール箱中からたくさん出てきたのです。20年も前ですから、皆さんとても若い。それより何より一番驚いたのは、自分で言うのも変なのですが、なかなかいい写真が多かったということです。実は、特に『ロータリーの友』の編集長になってから取材で写真を撮る機会がグーンと増え、ロータリーの国際大会の折などにはプロの写真家たちと一緒に仕事をして、ずいぶん上手になったつもりでいたのです。たしかにある意味うまくなっています(「自画自賛」と笑わないでくださいね)。しかし、まだまだ下手だと思っていた20年前の写真が、結構良かったのです。 “昔撮った写真” の続きを読む

「断捨離」しています

一時「断捨離」という言葉がはやっていました。雑誌やテレビでも取り上げられ、私も関心を持っていました。というのも、私自身、事務所も自宅も多くの荷物に囲まれていたからです。6月末に長年勤めていたロータリーの友事務所を退職するにあたって事務所の荷物を片付けました。少しずつ片付け始めて3か月ほどかかったのですが、とても貴重な資料も出てきました。『ロータリーの友』誌に掲載するために、さまざまな資料を確認したのですが、その中でも今後も役に立ちそうだと、そのコピーを捨てずにため込んでいたものです。『ロータリー100年史』の資料として役立つかもしれないと思い、そのまま置いてきました。 “「断捨離」しています” の続きを読む