前回は取材依頼について書きましたが、今回はその続きです。
取材依頼が受け手のメディア側から見るとわかりづらいのはなぜかと言うと、依頼側と受け手側に認識のズレが生じるからです。ズレといっても誤解というのではありません。知っている範囲の差のことです。発信側は自分たちのことですし、それまでに準備を重ねてきたことですから、そのイベントや製品についてよく知っています。一方でメディアの側はそのことについて基本的な情報すら持っていない場合も少なくないのです。
その場合、発信側は、例えば5段階あるうちの3段階から書いてしまいがちですが、受け手の側はその前段階がわからないので、何をやろうとしているのか理解できないということになるのです。だからと言って1段階、2段階について詳しく書きすぎても「結果的に何を依頼しているのかわからない」ということになります。 “だから「何なの?」” の続きを読む
取材依頼を書きました
先日、私が所属している団体が医療機関にフェイスシールドを贈ることになり、急遽、取材依頼を書き、東京都庁の記者クラブのボックスに入れさせていただきました。
最近は、ホームページやFacebookなどのSNSを使って情報を発信することがほとんどで、取材依頼やプレスリリースを書いたり送ったりすることはなくなってしまいましたので、久しぶりに広報活動の原点を思い出しました。
30歳代で広報を専門的に学びましたが、その頃は取材依頼やニュースリリースを送るということが、広報の主な活動になっていました。基本的に広報は人々と企業や団体・組織を結ぶ幅広いコミュニケーション活動ですが、メディアに取材依頼をすることだけが広報と考えている人がほとんどといった時代でした。 “取材依頼を書きました” の続きを読む
「ロゴ」のお話
先日のこの欄「ロゴを活用」で、企業コロナウイルスとの闘いを、ロゴを使って表現している事例をご紹介しました。
その中で「本来ならば、企業イメージ、ブランドイメージを定着させるために色や使い方などが厳格に決められていて、その通りに使うことが求められているロゴですが、だからこそ、大きなインパクトをもって報道され、消費者に対してこの難局に貢献している企業という良いイメージに結びつける効果があります」と書きましたが、今日はそのロゴ本来の使い方についてご紹介したいと思います。
ロゴは企業を表すものですから、その企業が扱っている製品や商品、サービスなどをイメージできるようにデザインします。それは形だけではなく、色によってもイメージが変わりますから、色を選定するのにも注意が必要です。 “「ロゴ」のお話” の続きを読む
ロゴを活用
企業のロゴは、その企業自体や、製品、サービのイメージを消費者に印象づける大切な武器です。そのロゴを見るだけで消費者は企業名や製品を思い浮かべることができます。企業は自社のロゴを周知するように努力していますし、反対に何か悪いイメージがついた場合には、ロゴを変えてイメージを一新することもあります。
その企業の製品やサービスだけでなく、その企業が社会的にどのように貢献しているかが企業イメージに結びつくケースも多くあります。 “ロゴを活用” の続きを読む
思い切った戦略
新型コロナウイルスの感染が日本でも深刻な状況になってきました。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県に緊急事態宣言が出され、その後、ほかの道県でも次々に独自(法律に基づかない)の緊急事態宣言が出されています。
それに伴い、人々には「不要不急の外出を自粛するように」という要請が出され、企業にもテレワークの推進や店舗の休業要請がされています。飲食店や居酒屋、商店など、小さい店は死活問題、倒産の危機に瀕しています。オフィスワーク中心の企業でも、中小企業の場合は、テレワークと言われてもどうやったらいいのかわからないというところも多いと思います。 “思い切った戦略” の続きを読む
緊急事態です
新型コロナウイルスの感染は拡大し続け、世界中を恐怖に陥れています。このウイルスは、何よりも人々の健康を奪い、命を奪うことが一番恐ろしいのですが、多くの方々は、経済への影響も心配されていると思います。
グローバル化と言われて久しいこの時代に、国境を閉ざして、人々もモノも行き来することができなくなりました。国境を越えて入ってくる部品が入らなくなり、工場が動かなくなりました。旅行者が来なくなって、ホテルや観光地が打撃を受けました。さまざまなイベントや会合が中止になりました。人が街に出なくなって買い物や飲食をしなくなりました。
経済損失は計り知れませんし、この状況が今後いつまで続くのかもわからないのです。と、評論家のように一言で片づけられないのが、個々の企業、個々の店です。嵐が吹き去るまでじっと耐えられればいいのですが、その前に立ち行かなくなってしまうと心配されている経営者も多いことでしょう。では、こんな時にいったい何をすればいいのでしょうか。 “緊急事態です” の続きを読む
手書きのマジック
随分古い話ですが、原稿依頼や貴重なポジフィルムの貸出依頼などは、専門の会社に依頼して、和紙にタイプで打っていただいていました。ワープロが導入されると、ワープロで手紙を打って、和紙に印刷して送りました。ワープロはそれほど手間がかからないのですが、「丁寧にタイピングしていただいて恐縮です」といった返事をいただいたものです。
それからしばらくしてワープロが普及した頃、私は和紙の便せんに万年筆で依頼状を書いて送っていました。その頃はタイプ印刷のありがた味はなくなり、反対に手書きが重宝されるようになってきたからです。「ご丁寧に手書きのお手紙をいただき、恐縮です」と言われるようになりました。 “手書きのマジック” の続きを読む
マイナスをプラスに変換 2
前回に続いて新型コロナウィルス関連の話題です。新型コロナウィルスの感染者が増えていた中国・武漢から、政府のチャーター便で最初に帰国された人たちがしばらく滞在することになった千葉県勝浦市のホテル、最初は名前を発表されていませんでしたが、すぐにそれがホテル三日月だとわかりました。勝浦という地名も、ホテル三日月も、千葉県をはじめ関東周辺の方々はよくご存じだと思いますが、それ以外の方々には馴染みの薄い名前ではないでしょうか。
いくらきちんと検査がされて大丈夫と言われても、新しくて正体がよくわからないウィルスのこと、帰国された方々を受け入れるのは、ホテルにとって勇気と大きな決断がいったに違いありません。 “マイナスをプラスに変換 2” の続きを読む
マイナスをプラスに変換 1
新型コロナウィルスが猛威を振るい、人々の健康ばかりでなく、経済面でも大きな打撃を与える様相を見せています。中国では多くの人々が感染し多くの方々が亡くなられています。日本国内でも感染が少しずつ広がってきています。早く終息してくれることを願いつつ、とりあえずはマスクに手洗い、と実践されている方も多いと思います。
そんな中で、横浜港に接岸された大型クルーズ船のダイアモンド・プリンセス号では、乗員・乗客に感染が広がっていて、連日大きく報道されています。感染者数がどのくらいまで増えていくのか、乗客・乗員の方々は不安と不自由な生活を強いられ、持病が悪化するなど、ほかにも悪い影響が出てくるのではないか心配されていらっしゃることでしょう。
船に乗られている方々が一番不安に思われているのは確かですが、そうでない人たちの間にも不安は広がり、「クルーズ船は怖い」「絶対に船旅はしない」と考えるようになった方々も多いと思います。 “マイナスをプラスに変換 1” の続きを読む
ポイントだけを短くまとめて話す練習を
外国人の方々にインタビューをした経験があります。こちらの質問に対して1~2分でまとめて話をしてくれました。何人かに聞いたのですが、皆さん同様でした。欧米の方々は特にきちんと答えてくれて、あとで記事にまとめるのがとても楽でした。
その時、同じ質問を何人かの日本人にもしました。5分以上かかっても本題には入らない、質問の方向を変えてみてもなかなか核心部分が引き出せなくて、たった数行のコメントをもらうのに苦労した覚えがあります。
アメリカでは、スピーチやディベートの練習を子どもの頃から授業などで行っているそうです。また、ある程度の地位になれば、それに合わせてスピーチや受け答えの訓練を受けると聞きました。 “ポイントだけを短くまとめて話す練習を” の続きを読む