早い者勝ち-ホテルの10連休

ホテルは年中無休が当たり前と思っていた多くの人にとって驚く話題が飛び込んできました。別府と箱根のホテルで10連休を取るホテルが出てきたという話題です。
いずれも同じ系列のホテルで、働き方改革の一環とのことでした。確かに理由はその通りだと思いますが、「働き方改革」が注目されている今、メディアに取り上げられるためのキーワードの一つであることは間違いありません。広報・PRの視点からから考えた場合、今話題になっている言葉を盛り込むというのがメディアに取り上げられるための常套(じょうとう)手段であることは、昔も今も変わっていません。
休むことによって売り上げは減るとのことですが、観光客が比較的少ないこの時期ならば、そのデメリットも最小限で済むことでしょう。一方、メディアでこれだけ取り上げられれば、減った売り上げを補って余りある広告効果を得られたことと思います。
人手不足が声高に叫ばれる昨今、交代でまとまった休みを取るのには限界があります。思い切って10連休にする方が、人のやり繰りをつけやすいのかもしれません。まとまって休めるとなると働き手のモチベーションが上がることが期待され、また、人材を確保しやすいのかもしれません。
この間に、普段にはできない特別清掃なども実施されるようですが、それらのことを知った人々は、このホテルに一度泊まってみたいと思うことでしょう。ニュースによってホテルの存在を初めて知ったという人も少なくないかもしれません。そのことによって、休業期間に落ちた売り上げを他の時期に稼ぐことも可能になると思います。
ただし、これは話題のキーワードを盛り込んだだけでなく、最初にやったということで、広報・PRに大きく寄与することになったのです。2社目、3社目となると、その効果は期待できません。
もちろん、働き方改革、従業員のモチベーションアップには役立つと思いますが……。

nf528主宰 二神 典子