ポテトサラダ論争

「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」の声に驚いて振り向くと、惣菜コーナーで高齢の男性と、幼児連れの女性。男性はサッサと立ち去ったけど、女性は惣菜パックを手にして俯いたまま。私は咄嗟に娘を連れて、女性の目の前でポテトサラダ買った。2パックも買った。大丈夫ですよと念じながら。
というツイートが大きな反響を呼んでいて、テレビの情報番組でも盛んに取り上げられています。
いろいろな意見があるようですが、私が言いたいのは「立場や状況によって答えは違う」ということです。ここに出てくる高齢の男性は、「お母さんの味」を大切に思う世代で、母親のつくるポテトサラダに人一倍懐かしさを感じていたのかもしれません。加えて言うなら、この方はポテトサラダを作ったことがないのだとも思います。女性の方は、わが子に手作りのものを食べさせたいと思いながらも、その余裕がないのかもしれません。 “ポテトサラダ論争” の続きを読む

100年に一度の…

近年、「100年に一度の」とか「今までにない」という表現を耳にするようになりました。先週末は九州で集中豪雨による浸水や土砂崩れが発生し、その前線は中部地方でも猛威を振るいました。被害状況は深刻で地域も広範囲にわたります。梅雨前線や低気圧による災害の可能性はいまだに高いままで、既に大きな被害が出た地域でも、気を緩めることのできない状況が続いています。
しかし、これは今年に限ったことではなく、昨年もその前も同じように豪雨による大きな被害が出ています。こうなると、「100年に一度」ではなく「日常」の出来事と考えるべきなのかもしれません。私たちはどこに住んでいても、災害のニュースを「他人事」として見るのではなく、「いつ自分に降りかかってくるかわからない」ものとして捉えなければいけません。 “100年に一度の…” の続きを読む

だから「何なの?」

前回は取材依頼について書きましたが、今回はその続きです。
取材依頼が受け手のメディア側から見るとわかりづらいのはなぜかと言うと、依頼側と受け手側に認識のズレが生じるからです。ズレといっても誤解というのではありません。知っている範囲の差のことです。発信側は自分たちのことですし、それまでに準備を重ねてきたことですから、そのイベントや製品についてよく知っています。一方でメディアの側はそのことについて基本的な情報すら持っていない場合も少なくないのです。
その場合、発信側は、例えば5段階あるうちの3段階から書いてしまいがちですが、受け手の側はその前段階がわからないので、何をやろうとしているのか理解できないということになるのです。だからと言って1段階、2段階について詳しく書きすぎても「結果的に何を依頼しているのかわからない」ということになります。 “だから「何なの?」” の続きを読む

あちら立てればこちらが立たぬ

表題は「一方の良いようにすれば他方には悪く、両立し難い」ことを言うことわざです。新型コロナウイルスの感染拡大に関する状況はまさにこの通りです。感染拡大を防ぐには、人と人とが接触しないこと。そのためにはすべての人が自宅に籠って外出しないことが効果的なのですが、長く続けると経済に大きなダメージを与えてしまいます。自宅にばかりいると人々の精神状態にも悪影響を及ぼし、今度は別の病気を誘発してしまうことにもなりかねません。
だからと言って、営業や外出の自粛要請を解除すれば、せっかく収束しかかった感染拡大が反転、感染者が増えてしまう危険性があります。特に人口の多い東京都では潜在的な感染者も多く、今、第2波も視野に入りそうな状況になってきています。
感染者を出すことは、すなわち自社の終わりを意味することにもなりかねないので、各企業・各店舗では感染予防に気を配りながら営業をしていることは、前回のコラムでも書きました。その結果、営業を再開したものの十分な収益を上げられず、倒産の危機に瀕している企業は少なくないと聞きます。
どこの店に行っても気配りは十分に感じられますが、実際の効果はどうでしょうか。ソーシャルディスタンスだとして、スーパーなどのレジ前は人々が近づきすぎないよう線やイラストで注意喚起されています。一つの列に関してはそれで問題はないのでしょうが、では隣の列とはどうかというと、十分な距離が保たれているとは言えない店舗も多くあります。ショッピングセンターの入り口や各店舗の入り口に消毒液は置かれていますが、エスカレーター近くに消毒液は見当たりません。危険なのはエスカレーターのベルトではありませんか。飲食店では4人掛けのテーブルを2人にして、対面で座らないように椅子に×印がつけられていたりしますが、客の方は斜め前や隣に座っても、お互いの顔を見て話をするので、こちらも効果があるようには思えません。
このような例は枚挙に暇がないのです。これでは感染拡大を防ぐことは難しいように思われます。企業や店の努力だけではどうしようもないことは言うまでもないことです。私たちは他人任せにしないで、「自分の安全は自分で守る」ようにしなければいけません。
私は外出時には、アルコール消毒液がすぐ取り出せるようにバッグにつるしています。そして何かに触れるたびに時間を置かず必ずアルコール消毒をします。新しい密閉できる袋に洗濯したきれいなハンカチタオルを数枚入れ、替え用のマスク2~3枚、ティッシュやウェットティシュも持ち歩いています。また。使用したマスクやティシュ、タオルなどを入れるための袋も持参しています。それでも帰宅したらしっかり手洗いをします。
このほかにも心がけていることはいろいろとあるのですが、仕事やそのほかの用事で外出しないわけにはいかない以上、考え得るすべてのことを実行しています。少し神経質すぎると言われるかもしれませんが、感染対策に過剰という言葉はないと考えています。それが自分のためでもあり、社会のためでもあります。皆さまも十分な対策を!

nf528主宰 二神 典子