非合理的な生活

私は、元来が怠け者です。もう少し具体的に申し上げると、体を動かすのが嫌いということです。ご存じのように、東京は地下鉄が入り組んでいます。どこで乗り換えればいいのか、乗り換えや目的地に行くためには、何両目の車両の何番目のドアに乗ればいいのか、今ではスマホで簡単に調べることができますが、そんな便利なツールがなかった時代でも、大抵の路線のどの位置に乗ればいいかを把握していました。降りてから余分に歩くのが嫌いで、また、混雑したエスカレーターや改札口で待つのが嫌いだったというのが、その理由です。 “非合理的な生活” の続きを読む

シェア自転車

海外に行くと町中(まちなか)で見かけるシェア自転車。市内のいろいろな所にスタンドがあり、そこで自転車を借りて、元の場所に戻らなくても、スタンドがあるところなら、どこでも返すことができるという仕組みです。とても便利なシステムで、日本にもあればいいなと思っていたのですが、ようやく日本でも試験的に自転車のシェアが始まりました。 “シェア自転車” の続きを読む

インスタ映え

昨年の流行語大賞にも選ばれた「インスタ映え」。インスタグラムが何なのか知らなくてもこの言葉はわかる、という方も多いと思います。
「インスタ映え」とは、簡単に言えばインスタグラムいう写真中心のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で注目されるような写真ということでしょうか。数多くの写真の中から注目されるようにしなければならないのですから、被写体に工夫したり、美しい色にこだわったり……。スマートフォンやデジタルカメラにも、美しい色に仕上がったり、ちょっと変わった雰囲気に仕上がったりするような、さまざまな機能が付くようになりました。自撮り棒はじめ自撮りできるツールもできました。 “インスタ映え” の続きを読む

広辞苑

先日、新しい『広辞苑』が発行されました。『広辞苑』というのは分厚くて、重くて、本棚で場所を取るし、取り扱いも大変です。これは、『広辞苑』に限らず、『大辞林』や『英和辞典』、また、『現代用語辞典』や『百科事典』などにも同じことが言えます。
新聞を読んだり、本を読んだりしていて知らない言葉が出てきたら、手元のスマートフォンを使って検索をすれば、ほとんどのことはわかります。本当に便利になりました。
しかし、新聞や本などを通して出合う言葉以外にも、たくさんの言葉が存在します。知っていれば役に立ったり、興味が持てることに出合えたりする言葉もたくさんあるはずです。 “広辞苑” の続きを読む

取捨選択

原稿の募集要項などに「取捨選択は編集部にご一任ください」と書かれていることがあります。編集者やライターでなくても、自分が書いた原稿が字数オーバーで短くしなければならないという経験をお持ちの方も多いと思います。
よく「なかなか短くできなくて」というご相談をいただきますが、それは当然のことです。取捨選択というのは、何を取り上げて、何を捨てるかを選ぶということですが、多くの場合、「短くするのだから」ということで捨てることばかりを考えてしまっていませんか。自分が大事だと思って取り上げた内容ですから、捨てることなんてできません。 “取捨選択” の続きを読む

電車で日経新聞

大学時代に国際法や国際関係論を専攻していた私には、経営学という分野は全くの門外漢。その私が大学院で経営学を勉強しようと思ったのは、仕事でロータリアン(ロータリークラブの会員のことです)と話をすることが多くなってきたためです。ロータリアンの多くは経営者です。雑談にはビジネスの話がよく出てきますが、一般の企業に勤めたことのない私にとってはわからないことばかりでした。ロータリーの雑誌の編集という仕事を続ければ、ロータリアンと話をする機会が増えることは疑いのないことです。若いうちなら知らないでも許されるでしょうが、40歳になった私が「わかりません」では格好がつきません。 “電車で日経新聞” の続きを読む

現場主義

前回「写真は真を写すのか」というテーマで書きました。今回はその続編です。
私たちが日ごろ目にする、新聞や雑誌の写真、またはテレビの映像などは、ほとんどがプロによって撮影されたものです。プロは、そのニュースの内容を読者や視聴者に、より伝わるような画像や映像を撮ろうとするのだと思います。これは、ねつ造とか情報操作といったものではなく、より真実に迫ろうとした結果です。 “現場主義” の続きを読む

写真は真実を写すのか

「聞くと見るでは大違い」などという経験は誰にもあることだと思います。私自身、取材で写真を撮ったり、その写真を雑誌に掲載したりする時、多少の細工をすることがあります。あるイベントの会場全体を撮影すると閑散として見えてしまうといった場合です。人が集まっている所だけを撮れば、盛況に見えるのです。
何かを加えたり、何かを消したりしているということではないので、その写真は決してウソやヤラセではありません。その時、そこにあった事実です。しかし、その場にいなかった人が受ける印象が、事実とは違ったものになるかもしれません。 “写真は真実を写すのか” の続きを読む

1ドルでクレジット!?

今年の6月、アトランタ(アメリカ・ジョージア州)を訪れた時のことです。アトランタには、Street Car(路面電車)が走っています。私は、この電車に乗ってキング牧師国立歴史地区に行こうと考えていました。
駅には券売機がありますが、これが問題でした。この電車のチケットは一律に1ドルです。そこでチケットを買おうとしのですが、どこにも現金を入れるところがありません。アトランタには、このStreet Carのほかに、MARTA(Metropolitan Atlanta Rapid Authority)という地下鉄(地上を走っている区間もあります)があります。この電車は現金でチケットを買うことができますが、そのほかにBreezeカード(プリベイトカード)があります。Street Carは、このBreezeカードかクレジットカードでしかチケットを買うことができません。つまり現金でチケットが買えないということなのです。でも、1ドルでクレジット払いというのには、かなり抵抗がありますよね。皆さまはいかがですか? “1ドルでクレジット!?” の続きを読む

活字嫌い

最近はコンピュータ編集なので、「活字」という言葉は死語になりましたが、本を読まなくなったことを「活字離れ」と言っていましたよね。亡くなった母に「あなたが雑誌を作っているなんて考えられない」と、よく言われましたが、私は子どものころから本を読むのはあまり好きではなかったように思います。しかし、結構、要領がいいので、夏休みの宿題の読後感想文で、ある小説の最初の数ページと、真ん中の数ページ、そして、最後の数ページに、前書きと後書きだけを読んで、とても良い成績をいただいたこともあります。 “活字嫌い” の続きを読む